投稿

ロールプレイ(ごっこ遊び)の大切さ(1)

イメージ
「空気を読む」ということが、人間関係について語られる時に、よく話題になります。過度に他人と同じようにふるまわなければという同調圧力として、個々人の思想・言動の自由を縛るようになることは、とても問題であり、好ましくないといえましょう。

ただ、その場に相応しいふるまい、その立場にふさわしい言動をすることを学ぶという、健全な意味において「社会性を身につける」ことは、子どもが成長していく過程で、とても大切なことです。この「社会性を身につける」ということは、家庭で求められる「しつけ」の大きな目的ともいえます。

一昔前であれば、ご近所に様々な年齢の子ども達がたくさんいて、また親世代の兄弟も多く、色々な年齢・境遇の従妹達に交わる機会も多くありましたが、核家族化が進み、各家庭の子どもの人数も減り、社会全体で少子化が、ここまで進んでしまっている現状では、子どもが現実の生活の中で、適切なロールモデル(「あのお兄ちゃんみたになりたい」「あのお姉ちゃんみたいになりたい」と憧れる年上の存在)に巡り会う機会が、非常に少なくなってしまっています。

親戚やご近所だけではなく少子化が進む現在の社会全体で、さまざまな年齢・個性・境遇・価値観を持った大人や年上の子ども達が、いろいろな形で、子どもに話しかけたり叱ったりして関りを持つ機会も、とても少なくなっています。

今の若いパパとママ達は、社会との関わりの中で自然と身につくはずの「社会性を身につける」ことが大変難しい環境での子育てを強いられているといえましょう。

そうした核家族の中で、子どもに社会性を身につけさせるしつけをする手助けとなる絵本やおもちゃが、核家族化・都市化する生活の歴史が日本よりも長い欧米にはたくさんあります。中でも「ロールプレイ(ごっこ遊び)」は、そうしたしつけに大変有効な方法として広く認識されています。日本では、ごっこ遊びというと、おままごとやお店屋さんごっこ、お医者さんごっこなど、子どもが好きな遊びという意識はあっても、それが子どもの社会性を育む重要な方法だという認識が薄いようです。

欧米では、この「ロールプレイ」に特化し、そのためにデザインされた「Playmobil」というドイツのおもちゃが、大変人気があり、広く定着しています。ドールハウスなども歴史が長く広く普及しています。いずれも大人の社会の、いろいろな職業について子どもに…

子どもがいくつになったら、どんな本を読むの?【6才~12才】

イメージ
【6~8才】
小学校の低学年のうちは、子どもそれぞれの言語能力・読解力にまだまだ大きな開きがあります。その子その子の発達の速度や特徴は、小さい頃ほどバラツキがありますから、この時期までは、同年代の子どもと比べて競わせたりせずに、まずは、その子自身のいるところから、一歩ずつ丁寧に大人が一緒に寄り添って、学んだり考えたりしていくことが大切です。

子どもが、絵のある薄い絵本を好む間は、絵の美しいビジュアル主体の絵本をたくさん読み聞かせてあげて下さい。自分で読めるからといって気持ちを離してしまわずに、絵本の絵を見ながら、物語の中で起こっていることについて、あれこれ思いつくままお話してあげて下さい。そうしたやり取りの中で、小さい子は、絵を離れて物語を理解し、その情景を想像していく力を身に着けていくはずです。決して急がずに、大人の方も絵本の世界を子どもと味わう心温まる贅沢な時間を堪能して下さい。子どもにとっても、親にとっても、この至福の時間は、懐かしく愛おしい思い出としてずっと記憶に残りますから、とっても大切です。



どんどん字が読めるようになって、物語の中に入り込んで熱中して本を読めるようになってきたら、その子が大好きな本を起点にして、周囲の大人が「そういう本が好きなら、こんな本も面白いんじゃないかな?」と、世の中には面白い本がいっぱいあるということに気づかせてあげて下さい。図書館や書店などを利用して、いろいろな絵本に出会わせてあげることが大切です。



物語が苦手で、図鑑や事典が大好きな子どもには、ノンフィクションやサイエンスフィクション、サスペンスなどの分野の物語がピンとくる場合が多いので、そうしたジャンルで、その子が面白そうに思える本がないか一緒に探してあげて下さい。歴史物、伝記物、発明や発見にまつわるエピソード集、SF、サスペンス(探偵ものや怪盗もの)、冒険譚などで、パパやママが幼少の頃親しんだ物語やそれに近いものを選んであげると良いと思います。



百科事典や図鑑、辞書、地理や歴史、算数、科学などのアカデミックな本は、「低学年用」「中学年用」「高学年用」など分かれていないもので、易しすぎず難しすぎないものでビジュアルが充実しているものを周囲の大人が吟味して揃えてあげると良いと思います。欧米は飛び級がある社会ですので、こうした条件に合った素晴らしい本が子供向けに…

子どもがいくつになったら、どんな絵本を読むの?【0~6才】

イメージ
【0才~2才前】
1才前後の赤ちゃんの頃から、絵本を見せて大人が赤ちゃんに優しいお声でお話ししてあげることが、赤ちゃんのその後の言語能力の発達に有効だという研究結果を以前ご紹介しました。

早い時期からの幼児期の絵本読み聞かせが、就学前の語学能力促進につながる


0才から2才前までの赤ちゃん向けの絵本は、読み聞かせるというよりは、赤ちゃんにいろいろな絵を見せて、大人が話しかけ、お声掛けをするための道具です。色や形、数、ものの名前を絵を指さしてお話かけします。コツは、赤ちゃんが見ているものに沿ってお声掛けすることです。こちらから読み聞かせようとか、教え込もうとしないで、赤ちゃんが見た絵を言葉にしてあげる感じで、気持ちがそれたらおしまいにして、また興味を持ったら絵を見せて、赤ちゃんのペースで楽しんで下さい。

そのうち自分から指をさして「あ!」「うわんうわ!」などお声が出るようになってきます。そうしたら、「ほんとだ消防車だね。赤いね。」「そうそうワンワンね。可愛いね。」など赤ちゃんのお声の気持ちをなぞった上に一言新しい言葉を付け加えていく感じで応えてあげて下さい。「ワンワン」「にゃんにゃん」「バス」などと、その子の好きなものに反応してお名前が出てくるようになったら、どんどん思いついたことをその子のアテンションするところに沿ってお声掛けしていきます。

元気で動き回りたい時には、全然絵本なんか見なくなるかもしれませんが、お昼寝の時間になって眠くてぐずるような感じになった時に、前抱っこして絵本を広げて、ほっぺたをくっつけるようにして、耳元で優しく静かにささやくような感じで、「おやすみなさい」をテーマにした赤ちゃん絵本を読んであげると良いでしょう。ストーリーの起伏が余りない、優しい絵で動物が出てくる絵本などが使いやすいようです。

ふわふわやザラザラ、ツルツルなどの擬音語のお声掛けがしやすい指先で触って感触を楽しむ絵本もお座りする頃から赤ちゃんが楽しむ絵本としておすすめです。









赤ちゃん絵本 Toddler Town Farm
キラキラや透明窓などの仕掛けが楽しい











Snow Rabbit, Spring Rabbit
おやすみなさいの絵本に最適



【2才~3才】
とにかく自分でめくったりいじったり手指を使って遊びたいお年頃です。絵本もパラパラめくるとカラフルな絵が出てくるおもちゃのように感じ…

子どもは、遊びを通して学び、癒され、表現し、成長していく

イメージ
オーストラリアとニュージーランドをカバーしているthe Australian Counselling Associationによって運営されているThe Australian Institute of Professional Counsellors (AIPC) というカウンセラー養成機関のサイトに、どのような目的で、どういったPlay Therapyのアクティビティを取り入れるべきかを解説したレポートを見つけました。PonoLipo Shopは、周囲の大人達が「子どもと一緒に遊ぶ」ことが、一番の知育であり子どもの心身の成長につながるという考えをベースにして、いろいろな遊びを提案しています。このPonoLipoのベースとなるコンセプトを理解していただくのに参考になるところが多いレポートです。


Play Therapy Activities to Engage Children

http://www.counsellingconnection.com/index.php/2011/07/18/play-therapy-activities-to-engage-children/

In play therapy, children are encouraged to express, through play, all the things they may have difficulty saying or contextualising into words. As a consequence of this primary focus, play therapy has expanded to include most of the expressive art forms including drawing, painting, sculpturing, music, dance, drama, movement, poetry, and storytelling. So while the mainstay of play therapy is still the playroom with its selection of symbolic toys, the play therapist has greatly expanded the medium…

子ども達が親の言いつけを守る時、守らない時

イメージ
少し古くなりますが、とても意義深いリサーチのレポートを見つけましたので、ご紹介します。2010年、The Jounal of Child Developmentの3月/4月号に発表された研究です。カリフォルニア大学Davis校の心と脳研究センター心理学教授Kristin Hansen Lagattutaを中心にして、シカゴのイリノイ大学、カナダのブロック大学が参加した共同研究のレポートです。

When will children disobey parents? It depends on the rule

Date:March 26, 2010
Source:Society for Research in Child Development
Summary:
A study of 60 4- to 7-year-olds that considers the connections between control over issues within children's personal domain, identity, and emotional well-being has found that children make important distinctions between different kinds of rules. Using role-playing situations, the researchers learned how children would act and feel when a parent forbids them from engaging in a desired activity. The findings suggest that children make important distinctions between different kinds of rules when reasoning about decisions and emotions.

https://www.sciencedaily.com/releases/2010/03/100325091419.htm

4歳~7歳の60人の子どもが参加してリサーチが行われました。子ども達は、いろいろなシチュエーションで親に、自分がや…

赤ちゃんには文脈を踏まえて物事を観る力が備わっている

イメージ
2017年11月1日に発表された最新のレポートです。Brown Universityの認知、言語、心理の科学分野の研究者Kristen Tummeltshammerと助教授Dima Amsoによる実験から、6ケ月の赤ちゃんが、もう既に提示される画面の図形のパターンの中から「人の顔」を探すプロセスにおいて、提示される画面の図形パターンを記憶し、リピートして提示される画面では、その記憶を使ってパターンを先読みして顔を探すプロセスが、どんどん早くなることを立証しました。新しいパターンを見せると、顔を探すのに初期と同じ時間が掛かることから、赤ちゃんが、その場の経験を短期的に記憶し、その記憶を利用して先読みして次の行動に反映させていることが分かりました。


Babies can use context to look for things
Date:November 1, 2017
Source:Brown University
Summary:
In a new study, infants as young as 6 months old demonstrated that they can rapidly integrate learning, memory and attention to improve their search for faces in a simple scene.

https://www.sciencedaily.com/releases/2017/11/171101091955.htm


この実験は、46人の6か月と10か月の健康な赤ちゃんとその母親を対象に条件が統一された実験室で行われました。赤ちゃんたちは、ママのお膝に前抱っこされて、目の前のモニター画面に提示されるランダムな4つのカラフルな図形のパターンの中のひとつが裏返って人の顔が出て「いないいないばあ!」という音声を発するアニメーションを連続して見せられます。休憩の後、何度か繰り返して同じパターンの画像を見せていき、赤ちゃんの目の動きの変化を計測したということです。アイ・トラッキング・システムにより、赤ちゃんの画面上での視点の動きと、その時間経過が、正確に計測されました。

この結果、赤ちゃんが初めて提示される画像で「人の顔」にたどり着くまでの時間は、ほぼ同様なのに、繰り返し同じパター…

Parenting: 父親がペアレンティングに積極的になることが、父親にも子どもにも良い成果をもたらす

イメージ
New York UniversityのSteinhardt School of Culture, Education, and Human Developmentの心理カウンセリング分野の研究者であるAnil Chako助教授によって進められた、父親向けの「子どもと一緒に絵本を読む」ペアレンティングプログラムの経過観察研究によって、このプログラムが、4歳前後の子ども達の就学準備に効果的であり、また父親の子どもに対するペアレンティング技術の向上にもつながることが分かりました。これは、今年1月23日に報告され、the Journal of  Clinical Child & Adolescentに掲載されました。

Engaging fathers in parenting intervention improves outcomes for both kids and fathers

Date:January 23, 2017
Source:New York University

Summary:
A parenting program where fathers engage with their children through reading was found to boost the fathers' parenting skills while also improving the preschoolers' school readiness and behavior, finds a new study.

https://www.sciencedaily.com/releases/2017/01/170123125524.htm


この父親向けのペアレンティングプログラムには、NYの126の低所得家庭の父親と、その4歳前後(プリスクール)の子ども達が参加し、8週間の間、週に1度90分のセッションが行われました。参加者の大半は、中南米からの移民でスペイン語を日常話している親子でした。プログラムの内容は、少人数のグループに分かれて、父親が子供たちと一緒に英語の絵本を読みます。読み聞かせるのではなく、子どもと一緒に読んでいくのです。スペイン語を母国語としている父親がつっかえたり読み間違えたりしたら、子ども達や他の父親たちが代わりに読んだ…